ダンパー教室

ダンパーの施工

ダンパーの施工

防火ダンパーの吊はなるべくインサートを利用したほうが合理的です。
吊金具の位置はメーカーにより多少の違いがあります。メーカーに問い合わせしてください。
防火ダンパーと防火区画との間のダクトは、厚さ1.5ミリ以上の鉄板で作るか、鉄網モルタル塗りその他の不燃材料で被覆することになっています。(基準法施行令第112条)
(1) 防火区画と防火ダンパーを離して取り付けする場合、鋼板ダクトの利用があります。
(2) 防火ダンパーの防火区画貫通部には、鋼板製スリーブの利用があります。
下記の「鋼板製スリーブ」をご参照下さい。

鋼板製スリーブ

スリーブとは、ダクトや配管が壁、床を貫通する場合、その開口を確保する為のものです。鋼板で製造したものを鋼板製スリーブといい、ダクト用には貫通スリーブと実管スリーブがあります。
(1) 防火区画の鋼板スリーブは板厚1.5mm以上で、床用は開口部の安全対策として開口部の表示と墜落防止対策を考慮したものを、壁用はジャンカ及び補強対策を考慮したものを使用すべきです。床用にはコンパネ床とデッキ床用があります。
(2) 貫通スリーブは、ダクト以上の大きさで製作し、後施工で短管を貫通させ、その隙間は断熱材又はコンクリートで穴埋めが必要です。
角形の木材製又は円形のボイド製は撤去等の手間が掛る為、鋼板製の貫通スリーブの利用が多いようです。
(3) 実管スリーブは、穴埋め作業を省くため、鋼板製スリーブを短管として利用したものです。
後施行のある貫通スリーブより、接続するダクト又は防火ダンパーは堅個に取りつけられます。

ダンパーの選択

ダンパーメーカーは通常、特殊な環境に使用されることは想定していません。
特殊な環境とは、圧力区分が低圧ダクト以上のダクト系、腐食性のある特殊な空気が流れるダクトおよび、気密性が必要なダンパーです。別途にメーカーとお打合せして選択してください。
送風機の直近にダンパーをつける場合、高圧1又は高圧2仕様選定のお打合せをしてください。
通常のダンパーは、圧力500Pa、風速10m/s(整流時)以下で使用されることを想定して製造されています。
乱流、偏流、脈流が起きると片寄って1枚の羽根に異常な負荷がかかり、羽根がビビリ、黄銅製の軸受けや連結部分及び軸に金属疲労を起こさせ、羽根の脱落などを起こさせる原因となります。
送風機で強制的に逆圧力がかかるような逆流防止用に低圧の通常CDを選択しないで下さい。
高圧仕様のCDまたは逆圧時に閉鎖させるようなMDの選択をしてください。

ダンパーの上流と下流側

ダンパーの構造上、その上流側と下流側の気流には考慮すべき問題があります。
(1) ダンパーの上流側に乱流、偏流、脈流がある場合、ダンパーの構造上、必要な性能、機能が発揮しないことがあります。
なるべく上流側の直管ダクトが長い場所に設置してください。
(2) ダンパーの下流側は羽根を絞ることで偏流が起こり易く、又羽根の風きり音等の騒音が発生し易くなります。下流側の近くに熱交換機や吹き出し口がある場合、羽根による偏流や騒音があることを考慮してください。

ダンパーの表示と取付

取付注意ラベルがダンパー本体についている場合、それを守ってください。
(1) CDには風の方向性があります。(風の流れ方向ラベル)
(2) 角形の防火ダンパーは水平取付けの場合吊金具を上に、タテダクトの場合は羽根をつなぐ連結金具が羽根軸より上部になるように取付けて下さい。これは羽根の重力を閉鎖し易い方向にはたらかせる為です。(上下ラベル)
(3) 防火ダンパーの温度ヒューズは決められたダクト系に取り付けてください。
(温度表示ラベル)
標準温度は公称72度であり、その他に120度・150度・280度(NBKシール)等があります。
(4) 駆動部別途のMDの場合、ダンパー本体の性能、構造を確認後モーターの選定をしてください。(モーター選定ラベル)
ダンパーには製品を識別するための識別ラベルがついているのが基本です。
ダンパーの品質等の問題が発生した場合に必要となるので剥がしたりしないで下さい。
ダクトにゆがみがある場合、事前にそのゆがみを直してからダンパーを取付けてください。
羽根とケースの隙間は1~2ミリで、斜め方向の過大な力を加えるとダンパーもゆがみ、機能不良になる場合があるからです。
多数のダンパーを注文する場合、取付けダクト系名を本体に記載することをお奨めします。
取付け間違いの無いように、ダンパー本体にダクト系統名を表示する為、系統名を指示してください。