ダンパー教室

ダンパー個別の問題

ダンパー個別の問題

温度ヒューズの誤作動による羽根の閉鎖が空調を停止させ、それが甚大な被害を及ぼすような部屋がある場合、防火区画のFD類を所轄消防と検討打合せをしてください。
温度ヒューズは火災時に、経年変化により羽根が閉鎖されないことを問題視しており、ハンダ合金以外の特殊ヒューズもありますが、その環境や条件もあり、誤作動による閉鎖をゼロとするのは不可能です。その場合、ダンパーに開閉の状態を電気信号で表示できるリミットスイッチを取付けて閉鎖時の警報や、温度ヒューズの代替えとしてのSD(煙感知器による閉鎖)等の検討もしてください。

ダクト系の送風機による締め切り運転状態の回避を検討してください。
(1) ダンパーが閉鎖状態で、空気の逃げ場が無く、送風機が継続運転するようなことが想定される場合、ダクト、ダンパーの破壊防止と安全を考慮し、レリーフ(圧力の逃がし)ダンパーの取付けを検討ください。
(2) MD(開又は閉鎖)と送風機の運転信号が、同時に行われる運転システムは安全上の問題を考慮し、インターロック等で信号のタイムラグを取ることを検討してください。
通常MDは停電時にその状態で停止しますが、停電時閉としたい場合、スプリングリターン式を検討ください。

ダンパーの納期

ダンパーの納期は、予めメーカーに種類別に確認しておいてください。思わぬ費用が掛ることがあります。
ダンパーはその種類、サイズ、仕様と多品種少量であり、通常メーカーは受注生産体制が基本です。

ダンパー注文時の注意

ダンパーはお客様と製造者の暗黙の慣例もあり、注文時の記載漏れは不要品不具合品となってしまいます。
(1) ダンパーは通常、ダクトに接続することを前提としています。注文時はダクト側との接続方法(FG・共板・差込式等)も示してください。
(2) ダンパーはダクト規格(1997年 JIS A4009)に準じているため、注文時の呼径はダクトと同じです。
特注寸法のダンパーを上記のJIS規格外で表現する場合、JIS規格外であることを分かるように製造側に伝えてください。ダンパーの基本寸法表現はダクト規格であり、機械等の規格ではありません。
(3) 角形ダンパー開閉器の位置はHサイズ側が基本です。W×Hの注文サイズで開閉器の位置が決まるものと考えてください。
(4) ダンパーのメーカー標準L寸法を変更したい場合、特注品としてメーカーに問い合わせてください。
メーカーはそのダンパーの目的である構造、性能又は原価構成上、最も適切なL寸法を標準としています。
それを変更することは、その何かが損なわれることになり、指定のL寸法によっては製造不可となることもあります。